最近のオンライン金融投資詐欺は、特定国に限られた問題をこえた全世界的な社会問題である。スキャマー(犯罪者)は、不法でモラルに反する方法で相手を騙し、現金や仮想通貨をはじめとする金融資産を騙し取る。彼らの大半が組織化された犯罪集団であり、精巧なシナリオを構成して「超国家的」詐欺犯罪を犯す。誰もがスキャマーの専門技術と自然な状況誘導に騙されて被害者になる恐れがあり、年齢や所得または知的レベルにかかわらず被害者になる。
オンライン金融投資詐欺の根本的な原因は、物質的価値を重視し、富を蓄積しようとする現代人の欲望である。実際、詐欺に遭った大半の被害者は、自分が持っている限られたお金を投資し、より早く簡単にたくさんの富を得ようとした。スキャマーはこのような欲望を狙って「確実な」、「高収益」、「短期間」などの表現で投資心理を刺激する。そして、相手に確実な信頼を得るため、専門家や有名人を詐称したり、様々な偽資料を提供する。

AhnLab SEcurity intelligence Center(ASEC) は、オンライン金融投資詐欺が一般人をターゲットにした重大なサイバー脅威であると判断し、その現況と特徴を説明することで被害を減らしていきたい。詐欺の一部タイプは、アジア諸国(大韓民国、日本、タイ、シンガポールなど)を対象にし、グローバルかつ同時多発的に発生していることが確認された。
この記事の内容は作成日基準、で現在まで有効であり、画面とメッセンジャーの会話内容は詐欺シナリオで実際に確認されたものである。現在もアクセス可能な詐欺サイトと一般人被害者の身元情報にはマスキング処理を行った。
| AhnLab ENDPOINT PLUS プラットフォームは、この記事で説明する詐欺サイトとモバイルアプリ、テキストメッセージを遮断し、ユーザーを保護している。 |
内容
- 誰かを信じた
- 詐称と捏造
- 国別の有名人詐称プラットフォーム広告
- メッセンジャーアプリのチャットルーム
- 私だけが知らない「演劇」
- 詐欺サイトとモバイルアプリ
- 間違いない高収益の副業だと思った
- 違法カジノベッティング
- マーケティング詐欺
- 共同購入の注文
- 特別なチャンスだと思った
- ロト当せん番号のおすすめ
- 公募株請約
- 被害者を2度泣かせる二次詐欺
用語
スキャムとは、不法でモラルに反する方法で相手を騙し、金銭または知的財産を獲得したり、資産へ許諾なしに接近する詐欺犯罪行為である。スキャムと詐欺は類似した概念ではあるが、スキャムは主に直接的なチャンネル(電話、テキストメッセージ、電子メール、メッセンジャー、ソーシャルメディア、Web サイトなど)を利用し、被害者が自発的にスキャマー(犯罪者、攻撃者)が意図した通りに行動させる。詐欺は、金銭損失の被害にさらに焦点を当て、不当取引や名義盗用など、被害者が認知していない状況で発生する犯罪行為まで含む。この記事では、文脈によってスキャムと詐欺、両方の用語を使用する。
誰かを信じた
詐称と捏造
スキャマーは、有名人の写真を無断で盗用した。原本写真を捏造し、有名人が投資の誘い文句を直接作成したかのように作成した。捏造された写真は、詐欺サイトの宣伝文句として利用された。口座の入金履歴と会話内容など、収益認証画面もやはり捏造されたものだった。

投資誘導 Web サイトには、モバイルメッセンジャーにアクセスするリンクがある。スキャマーは、被害者とメッセンジャーで直接コミュニケーションを取り、偽の仮想通貨取引所への入金を誘導した。スキャマーは自然な韓国語を駆使する。

以下は、オンラインマスコミ記事の画面構成、色、書体など、すべてを完璧に真似た詐欺 Web サイトである。記事は有名人が特定投資プラットフォームを利用して高収益を出したという内容だが、これは完全な虚偽事実である。この有名人を詐称して捏造された Web サイトと偽の記事は2024年1月から確認されたが、同じ内容が3月26日にも確認された。

偽の記事で言及した投資プラットフォームもやはり詐欺である。Web サイトのアクセス経路によって言語と詐称対象の有名人が変わった。大韓民国のほか、シンガポール、日本、中国が被害対象国(言語)であると確認された。特定国に限らないグローバル投資詐欺である。

国別の有名人詐称プラットフォーム広告
最近、有名人を詐称した投資詐欺プラットフォーム広告が急増している。広告は Google、YouTube、Instagram、Facebook など、多くの人が利用するデジタルプラットフォームにて頻繁に露出されている。有名人はある特別な方法と投資情報を利用して大きな富を作ったとし、その秘訣を公開するという。被害者は有名人の言葉を信じたり、刺激的なサムネイルを見たりして好奇心からリンクをクリックする。

有名人を詐称したプラットフォーム広告は、韓国だけの問題ではない。タイや日本を含む他のアジア諸国でも、同様に詐称を利用した投資詐欺広告が確認された。以下は、同じ広告主が国によって異なる詐欺広告を提供した事例である。いずれも該当国でよく知られた金融業界の専門家や社会的影響力のある有名人である。広告をクリックすると、投資詐欺サイトにアクセスすることもまた、同じである。

詐欺プラットフォーム広告は、Google や YouTube で検索した際も露出される。投資関連キーワードを検索するだけで、複数の詐欺サイトが最上段に現れる。広告のリンクをクリックすると、有名人を詐称した詐欺サイトにアクセスする。有名人の言葉とプラットフォーム広告の詐欺有無を疑えなかった数多くの人が被害に遭った。
以下の画面は3月25日、Google と YouTube で「急騰株」または「株式投資」という投資キーワードを検索した時の結果画面である。広告で露出された Web サイトと YouTube の映像はすべて詐欺だった。

もちろん、プラットフォーム業界でもこれを傍観してはいない。プラットフォーム業界は、ポリシーに反した広告を削除してブロックしており、プラットフォーム広告の悪用を防ぐために努力している。[1] 本記事の発行日を基準に照会すると、Google プラットフォームにおける不法詐称広告の相当数が削除されたことを確認した。しかし、今も削除されていない詐称広告が依然としてあり、特に Instagram や Facebook のようなメタプラットフォームには有名人詐称広告が多数露出されている。

不法詐称広告による有名人のイメージ損傷被害は非常に大きい。大韓民国の有名人たちは最近、声明書を出し、問題解決を促す記者会見を開いた。[2]政府もオンライン不法広告を遮断し、不法金融投資詐欺を徹底的に調査すると発表した。[3] 日本でも昨年から詐称被害の関連記事が多数報道された。[4]
メッセンジャーアプリのチャットルーム
スキャマーは、潜在的被害者とモバイルメッセンジャーアプリ(Telegram、LINE、KakaoTalk、BAND)でコミュニケーションを取る。被害者は、有名人詐称プラットフォームの広告をクリックしたり、詐称サイトのメッセンジャーアプリアクセスリンクからチャットルームに参加する。不特定多数を対象に送信されるテキストメッセージを通してチャットルームに参加することもある。本格的な金融投資詐欺の振る舞いは、このグループチャットルームで行われる。

私だけが知らない「演劇」
スキャマーは、人々が投資する際、他人の言動に大きな影響を受けるという事実を非常によく利用した。彼らは被害者を数十人から数百人がいるグループチャットルームに招待した。グループチャットルームは、表面的には株式と投資情報を共有し、銘柄を推薦する不法リーディングルームである。大韓民国で類似投資諮問業者として登録されていない事業者の銘柄推薦や投資勧誘はすべて不法である。
しかし、このグループチャットルームの本当の正体は、少数の被害者と彼らを欺く多数のスキャマーが構成員である計画された「演劇」舞台だ。グループチャットルームには、投資情報と株式銘柄を推薦する1人の投資専門家がいて、この人をサポートしながら疎通の窓口役割をするサポーターがいる。そして、専門家とサポーターの言動に同調する多数の投資家がいる。投資家たちは、自分が専門家の言葉に従った結果、本当に収益を出したと言いながら、全面的に信頼しており、もっと積極的に投資していくと言い雰囲気を盛り上げる。彼らのすべてが偽物であり、みなが同じスキャマー組織の所属である。
実際にグループチャットルームには少数の潜在的被害者がいる。彼らは高まる雰囲気と他の投資家たちの収益率認証、そして専門家を信頼させる各種資料を見て、本人も一緒に投資すると決心する。
このすべての過程は短期間に行われるものでなく、少なくとも2~3週間から最大1ヶ月以上の長期間に渡って行われる。これは、投資金を実際に振り込むほどの純真な被害者を選び出す過程である。もし、被害者がこの期間に専門家を疑ったり、場を壊すような発言をしたら、発言は直ちに遮られてチャットルームからも退場させられる。

各グループチャットルームごとに専門家の身分、投資方式など、詐欺のためのシナリオは異なる。重要なのは、このすべてが非常に自然で、かなりもっともらしい投資に見えるということである。さらに、スキャマーは実際に存在する投資会社を詐称してオフィスを作り、俳優のように演技をしたりもした。そして公式ホームページを同じように複製し、映像も含まれている。彼らは顔を露出する大胆さも見せた。

スキャマーは偽の報道資料、ライブ投資講義、モバイルギフト券、毎日の挨拶など、投資者の信頼と関心を集めるための努力を惜しまない。大韓民国の投資市場状況に詳しいと見せるため、政治テーマ株のような知識を披露したりもした。政治がテーマの銘柄など、大韓民国の投資市場の状況に精通した知識を披露したりもした。一部は流暢な韓国語を駆使したが、大半のスキャマーは話し方がややぎこちなかった。


詐欺サイトとモバイルアプリ
スキャマーは、実際に投資金を入金しようとするターゲットに投資金を管理できる専用の Web サイトまたはモバイルアプリの情報を伝達する。この情報は、グループチャットルームではなく、個人のチャットで伝達される。モバイルアプリは、公式アプリストア(Google Play または Apple の App Store)に登録されている。[5] 被害者はアプリが公式アプリストアに登録されているため、これをなかなか疑わない。実際、アプリには単純な Web ビュー機能しかないため、表示される Web とアプリの画面は同じである。
モバイル詐欺アプリには、投資情報と資産現況を示すインターフェースがあるが、本当の目的は投資金を受け取ることである。身分証の前後の写真を送信し、審査を受けなければ入金できない。投資詐欺の被害者は、お金を失うだけでなく、自分の身元情報も盗まれてしまう。二次被害が発生する可能性がある。
以下の画面は、現在もアクセスできる韓国国内外の投資詐欺サイトとアプリ実行画面である。スキャマーのターゲットになった許可された人のみがログインができ、投資することができる。


間違いない高収益の副業みたいだった
違法カジノベッティング
スキャマーは、主に Instagram を利用して多数の専業主婦や女性にフォローまたは DM で接近する。彼らの Instagram には、経済的に余裕のある生活と高価な物の写真が多い。すべて無断で盗用した写真である。「誰もが自分のように簡単で早い方法で豊かに暮らせる」というスキャマーの言葉によって、被害者は彼らに先に連絡する。

スキャマーは成功の秘訣が簡単なオンラインゲームだと紹介し、Web サイトに「金額のチャージ」を要求する。いずれも違法カジノである。彼らは確実な元金保障を約束し、投資の初期には実際に収益金を支給する。しかし、投資金額が次第に大きくなれば、様々な理由を挙げてお金を返さず、むしろ追加の入金を要求する。

マーケティング詐欺
合法的なマーケティング会社で起こりうる詐欺である。マーケティング会社は、副業を希望する人を募集し、彼らにマーケティングプラットフォームと仕事を有料で提供する。個人は副業初期に数百万ウォン以上の加入費(教育費)を前払いする。彼らはブログに広告を投稿したり、体験団のレビュー作成、ショッピングモールの運営などをして実際に若干の収益を出すこともできる。
問題は、マーケティング会社が人材を直接管理せず、個人に依存しているということだ。マーケティングの副業は、個人が他の人をオンラインで募集し、教育と仕事を提供する構造である。新しい人を募集しないと高い収益を上げることができず、実際の仕事による所得はこれに比べてはるかに少ない。そのため、新規募集を行った後、連絡を疎かにしたり、無視する被害事例がよく確認される。
もし、他の人をマーケティング副業市場に引き入れることができず、仕事ばかりしていては初期投資金の回復に相当な時間がかかる。そのため、マーケティング副業は誰かにとっては一種のルチ商法かも知れないし、一部の人にとっては良い働き口かも知れない。
共同購入の注文
スキャマーは、モバイルテキストメッセージで不特定多数に副業を勧める。他の副業詐欺と同様に、誰でもできる手軽な働き口だと紹介し、メッセンジャーで直接連絡するように促す。彼らは、商品購入代行の仕事を与えるが、被害者は自身の資本で商品を購入し、一定の収益金を得ることができる。
数回の収益金支給で信頼を得た後は、次第に商品購入価格を高める。被害者はさらに収益を出すために数百から数千万ウォンまで自身の資本を投入する。その後は数人が一緒に参加するチーム共同購入につながるが、他のチーム員の正体はみなスキャマーである。彼らは、団結と共同目標達成という美名の下に被害者がお金をより多く入金するようにする。
被害者が副業を辞めて最低限の自身の資金を回収しようとしても、スキャマーは手数料や税金など、各種のトリックを使ってさらに多くのお金を騙し取ろうとする。[6]

特別なチャンスだと思った
ロト当せん番号のおすすめ
主にモバイルテキストメッセージで不特定多数に配布される。非常に高い確率のロト当せん番号を提供するとし、授業料の入金や不法賭博性ゲームへの参加を誘導する。ロト当せん番号詐欺は、ずいぶん前から流行っている代表的な詐欺手法だが、現在も依然として活発である。各種資格証、証明書、収益認証画面は、すべて捏造された虚偽事実である。

特別公募株
上場予定の企業を詐称し、実際に存在しない「特別」公募請約を受け付ける。詐称サイトは、実際の企業のものと同じように作られており、公募株申請のための個人情報入力欄があるという点が唯一の違いである。スキャマーは被害者に請約金を受け取り、その後は完全に姿を消す。

被害者を2度泣かせる二次詐欺
被害者は詐欺に遭うと、オンラインコミュニティを通して被害救済情報を探そうとする。この時、被害者を狙うまた別のスキャマーがいるが、これがまさに二次詐欺である。被害者はすでにパニックに陥っており、損失金を返すという彼らの言葉を信頼する。スキャマーは、被害者に臨時の資金を作っておいて、短期間だけ振り込めというなど、理性的な考えではなかなかしないような行動をさせ、資金を騙し取る。2次詐欺は、被害者の不安定で切迫した心情を利用した。

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[1] 2024-03-27、Google 2023 広告安全性レポート
[2] 2024-03-22、ユ・ジェソク、ソン・ウニなど、オンライン詐称犯罪の解決促す
[3] 2024-03-27、政府、有名人詐称の投資詐欺広告に「容認しないことを原則として徹底捜査」
[4] 2023-12-13、SNSで「有名人詐欺広告」がバンバン表示されるのはなぜ?プラットフォーマーの対策はどうなっているのか
[5] 事例として説明した金融詐欺アプリ「SJ Ai pro」は、3月29日基準、依然として Google Play と Apple の App Store に登録されている
[6] 一番下の右側の画像:被害者の会オンラインコミュニティ
Categories: マルウェアの情報