セキュリティ脅威動向

スパムメールで拡散するフィッシングマルウェアの動向

AhnLabでは、多くのユーザーから毎日数十件のフィッシングタイプのスパムメールを収集している。フィッシングタイプのスパムメールは大きく二つに分けることができる。1つ目は、個人情報の返信を要求する等、本文の内容自体が偽物のタイプである。2つ目は、メール本文にフィッシングサイトへの接続アドレスを含むことでサイトへのユーザーの接続を誘導したり、フィッシングサイトのスクリプトファイルを添付ファイルとして含んだりするタイプである。本記事では、セキュリティプログラムレベルで遮断する必要がある2つ目のタイプに関して、被害状況およびフィッシング型マルウェアの特徴について説明する。 メール本文に含まれているフィッシングサイトのアドレスへ接続した場合、または添付された HTML ファイルを Web ブラウザで接続した場合に、ユーザーは社内アカウントの ID、またはパスワードなど個人情報の入力を要求されるページにアクセスするように誘導される。今までは内容や雑な画面構成などから、このようなフィッシングタイプのページが正常なページと比べると、疑わしいと感じる部分が多かった。しかし、現在は正常なページと比較しても、ほとんど同じように作られており、個人情報を入力したり、情報が流出しても気づきにくい。 特に、企業ユーザーを対象に、このような攻撃が何度も行われているため、本記事では、攻撃タイプなどについての特徴を詳しく紹介し、攻撃による被害を最小限に抑えることを目指していく。 被害状況 1) ユーザーから収集するメールの状況 AhnLab…